投資家視点で見る 店舗付住宅と住宅付店舗の違いと活用法

ブログ 不動産投資初心者向け講座

こんにちは! 今回は不動産投資の観点から「店舗付住居」と「住宅付店舗」についてお話していきます。

不動産投資の中でも、「店舗+住居」が一体となった複合用途の物件は、安定収益を狙える一方で、主用途によって法規制・融資条件・税務処理などが大きく異なります。この違いを理解せずに購入すると、想定通りの運用ができず、収益性に大きな影響が出ることも。役割の違いと活用例について解説していきます。

⚪︎店舗付住宅とは?――住居が主、店舗は従。ミニマム投資で安定運用を狙うタイプ

店舗付住宅は、「住居」を主用途とし、その一部に「店舗」スペースを設けた物件。副業的なビジネスを想定した造りになっており、一般の住宅に近い扱いを受けます。

*投資家にとってのメリット

・住宅ローンが適用可能(※一定の条件あり)
住居が主であるため、住宅ローンや住宅ローン控除を活用できる可能性があります。低金利・長期返済の住宅ローンは、個人投資家にとって大きな資金調達メリットとなります。

・入居者ニーズに合致しやすい
近年増加している在宅ワーカーや個人事業主にとって、自宅で小規模な店舗や事務所を持てる物件は魅力的。差別化された賃貸住宅として、賃料の上乗せが狙えます。

・税制上の優遇あり
住宅部分には住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置が適用される可能性があり、税負担を抑えつつ長期保有がしやすいです。

*向いている投資戦略

地方や郊外で、低予算・長期安定運用を狙う個人投資家

自身が住みながら1階部分を貸し出す「賃貸併用住宅」戦略

自営業者向けの差別化賃貸として高利回りを狙う物件形成

⚪︎住宅付店舗とは?――店舗が主、住宅は従。事業用収益を最大化するプロ向けモデル

住宅付店舗は、「店舗」を主とし、住宅は従属的な用途。立地・集客・収益性を重視した構造で、商業用不動産としての運用が前提です。

*投資家にとってのメリット

・高利回りが狙える
飲食・小売・サービス業などの事業テナントを誘致すれば、住宅用途の賃貸より高い賃料単価が期待できます。特に幹線道路沿いや駅前立地で効果的。

・事業用ローンによる資金調達
アパートローン・プロパーローンなど、事業性融資を活用して大きな資金調達が可能。収益ベースで評価されるため、物件規模の拡大も視野に入れられます。

・テナント入れ替えによるバリューアップが可能
業種転換・内装再構築により、収益改善を狙えるのも店舗付物件の強みです。たとえば空室期間中にリノベーションを行い、次のテナントから賃料を引き上げるなどの再投資戦略も有効です。

*向いている投資戦略

駅近やロードサイドに立地し、高収益を狙う商業物件戦略

1階:テナント、2階:住居として分離貸しする複合収益型

飲食や美容、整体、学習塾など、業種特化でのリーシング戦略

⚪︎投資判断で押さえるべき4つの視点

1. 融資条件の違い

店舗付住宅=住宅ローンが使える可能性(店舗部分が全体の50%未満が目安)

住宅付店舗=事業用ローン(審査厳しく、金利高め)

特に自己居住要件の有無や店舗面積の割合によって、融資の種類が変わるため、金融機関との事前確認が必須です。

2. 税務処理の違い

店舗付住宅:住宅部分に税制優遇あり

住宅付店舗:減価償却や消費税還付など事業税制が中心

節税を狙うなら、税理士と相談の上、住宅・店舗の按分割合を明確にしておくことが重要です。

3. 用途地域と建築規制

店舗が主用途か住宅が主用途かによって、建築できるエリアが制限されます。たとえば第一種低層住居専用地域では住宅付店舗は建てられない可能性があるため、都市計画図の確認は必須です。

4. 出口戦略と売却流動性

店舗付住宅:住宅市場でも流通しやすく、一般エンドユーザー向けに売却可能

住宅付店舗:事業用としての評価が中心のため、投資家向けに売却が限定されやすい

将来の売却時の流動性を考えるなら、誰に売れるか(エンドか投資家か)を事前に想定しておくことが大切です。

「店舗付住宅」と「住宅付店舗」は、どちらも収益不動産として魅力的ですが、主用途の違いが投資の成否を左右します。

安定した住居ニーズをベースに、副収入をプラスしたい → 店舗付住宅

収益性の高いテナントビジネスを軸に展開したい → 住宅付店舗

物件選定にあたっては、融資・税務・法規制・出口戦略まで一貫して検討し、専門家と連携しながら進めることで、リスクを抑えた堅実な投資が可能になります。

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