不動産投資の新たな選択肢「信託受益権」とは? 仕組み・メリット・注意点を解説

ブログ 不動産投資初心者向け講座

こんにちは! 今回は「信託受益権」についてお伝えしていきます。

不動産投資というと、マンションやアパートを購入して家賃収入を得る「現物投資」をイメージする方が多いでしょう。しかし、もう一つ知っておきたい選択肢があります。それが「不動産信託受益権」を活用した投資です。

まだあまり知られていませんが、金融機関や機関投資家の間では広く利用されているこの仕組み、一体どういうものなのかについてご紹介します。

⚪︎信託受益権とは?

まず「信託」とは、財産の管理や運用を他者に任せる仕組みです。具体的には、委託者(不動産の持ち主)が受託者(信託銀行など)に不動産を託し、その管理・運用益を受益者に分配します。

このとき、受益者が持つ「不動産から得られる利益を受け取る権利」が「信託受益権」です。つまり、建物自体の所有権は信託銀行が持ち、投資家は「家賃収入や売却益を得る権利」を購入するイメージです。

⚪︎現物不動産投資との違い

最大の違いは「不動産の所有権を持つかどうか」です。

・現物不動産投資:投資家が所有権を持ち、登記も自分名義

・信託受益権投資:不動産は信託銀行が保有し、投資家は受益権を持つだけ

これにより、手続きや税制、リスクの取り扱いにも差が出てきます。

⚪︎信託受益権の主なメリット

・初期費用を抑えられる

不動産取得税や登録免許税がかからないため、現物よりも初期コストを抑えられるのが大きな魅力です(※信託設定時などには一部税金が発生します)。

・手続きが簡素

登記変更が不要なため、契約手続きが比較的スムーズ。時間や手間が少なくて済みます。

・管理の手間が不要

受託者やプロの管理会社が運用を代行してくれるため、空室対策や修繕対応などを自分で行う必要はありません。

・流動性が比較的高い

相対取引が主流で、買い手がいれば比較的スムーズに売却できることも。物件によっては現物よりも取引しやすい場合があります。

・大型物件に少額投資できる

商業施設や物流倉庫といった高額不動産も、小口化された信託受益権として購入可能。個人では手が届きにくい物件への分散投資が実現できます。

⚪︎注意すべきデメリット

・所有権がない

不動産そのものを保有していないため、管理や売却の方針を自分で決めることはできません。また、受託者の経営リスクもゼロではありません。

・市場が限定的

現物不動産のように広く流通しているわけではなく、専門の不動産会社や証券会社を通じて取引されるのが一般的です。

・物件調査が難しい

現地調査などがしにくく、提供された資料の中で判断する必要があります。書類の読み込みやリスク分析力が求められます。

・税務が複雑

税金面では有利な部分もありますが、信託特有の処理も多く、確定申告や分配金の扱いなどで専門家のアドバイスが必要になるケースがあります。

・元本保証はない

当然ながら、信託受益権も価格変動リスクを伴います。物件の空室や賃料低下、不動産価格の下落は直接的に影響します。

⚪︎向いている人は?

信託受益権投資は、以下のような方におすすめです。

・本業が忙しく、不動産管理に時間を割けない人

・大規模不動産に少額から投資してみたい人

・初期コストを抑えて投資したい人

・ある程度投資経験があり、分散投資を検討している人

・税理士などのサポートを受けながら投資判断できる人

不動産信託受益権は、現物不動産とは異なる形で不動産からの収益を得られる仕組みです。税制上のメリットや運用の手軽さは大きな魅力ですが、リスクの性質も異なるため、しっかりと内容を理解したうえで投資判断をする必要があります。

不動産投資の幅を広げたい方、新しいアプローチを模索している方にとって、信託受益権は一考の価値がある選択肢です。興味を持った方は、信頼できる専門家に相談しながら、少しずつ知識を深めてみてはいかがでしょうか。

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