こんにちは! 今回は利回りの最低ラインはどこ?というお話をしていきます。
アパート経営は、「家賃収入で安定した不労所得を得たい」「老後の資産を増やしたい」と考える人に人気の高い投資です。しかし、成功する人と失敗する人の差は、利回りへの理解にあります。
高い利回りの数字だけを信じて物件を購入してしまうと、想定外の出費や空室によって赤字に転落することも。まずは、利回りの種類と最低ラインを正しく知ることが、堅実な経営の第一歩です。
◯利回りには「表面利回り」と「実質利回り」がある
アパート経営の利回りには大きく2種類あります。広告でよく見る「表面利回り」と、実際の収益性を示す「実質利回り」です。
・表面利回り(想定利回り)
表面利回りとは、年間の家賃収入を物件価格で割った単純な割合です。
たとえば、家賃収入が年間300万円で物件価格が5,000万円なら、表面利回りは6%です。
ただしこれは「満室時の理論値」。管理費や固定資産税、修繕費などは含まれません。つまり、表面利回り6%でも、実際に手元に残る利益はそれよりずっと少ないことが多いのです。
あくまで物件を比較するための目安として使いましょう。
・実質利回り(ネット利回り)
一方で、実質利回りは、実際の経営状況を反映する指標です。
年間家賃収入から税金・保険料・管理費・修繕費などを差し引き、それを購入費+諸経費の合計で割って求めます。
こちらこそが、本当に見るべき“真の利回り”です。物件の収益性を判断する際は、必ず実質利回りを計算しましょう。
◯成功するための「最低ライン」は実質利回り3%
不動産投資には明確な基準はありませんが、業界では実質利回り3%以上が一つの目安とされています。
なぜ3%が重要なのか。その理由は、リスクを吸収できる「安全域」を確保できるからです。
・突発的な修繕費(給湯器の故障など)が発生しても赤字を回避しやすい
・空室リスクがあってもキャッシュフローがマイナスになりにくい
・ローン金利(2〜4%)に対して、プラスの利益を確保できる
実質利回りが3%を下回ると、ローン返済や経費の増加で簡単に赤字に陥ります。
一方で、3%を超えていれば、多少のトラブルがあっても黒字経営を維持しやすくなります。
◯表面利回りの目安は「5〜8%」
実質利回り3%を確保するためには、表面利回りで5〜8%程度が必要です。
ただし、地域や築年数によって相場は異なります。
| 地域/築年数 | 新築アパート | 中古アパート |
| 都心部 | 4~6% | 6~8% |
| 地方 | 6~8% | 8~10%以上 |
都心の新築は利回りが低くても空室リスクが少ないため「安定性重視」の投資向き。
地方や築古物件は高利回りでも空室リスクが高く、慎重な見極めが必要です。
◯利回りだけでなく「中身」を見ることが大切
表面上の数字だけでは、安定経営は実現しません。
次の3つの観点から、実質的な収益力をシミュレーションしましょう。
(1)経費の見積もり
固定資産税や管理費、修繕費、火災保険料、清掃費など、実際の支出を細かく算出すること。特に、将来の外壁・屋根修繕に備えた積立金を忘れずに。
(2)キャッシュフローの確認
家賃収入から経費とローン返済額を引き、**手元に残る現金(キャッシュフロー)**がプラスかを確認します。数字上の利回りが良くても、現金が減っていれば意味がありません。
(3)立地と賃貸需要
利回りが高くても、入居者がいなければ収益はゼロ。
人口動向や再開発計画、交通アクセスなどを調べ、将来も安定して入居が見込めるエリアかを必ず確認しましょう。
アパート経営で安定した収益を得るためには、実質利回り3%以上を確保することが最低ラインです。
しかし、数字だけを追うのではなく、立地・賃貸需要・経費の現実的な見積もりを組み合わせて判断することが何より重要です。表面利回りに惑わされず、自分自身で実質利回りとキャッシュフローをシミュレーションし、堅実に利益を積み上げていけるようにしましょう。
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