不動産投資で失敗しないための基本:簿価を理解して投資判断を確かなものにする

ブログ 不動産投資初心者向け講座

こんにちは! 今回は、不動産投資を行ううえで欠かせない「簿価(ぼか)」について分かりやすく解説していきます。

不動産投資を始めると、「利回り」「キャッシュフロー」と並んでよく出てくる専門用語のひとつが簿価です。会計の話に聞こえるかもしれませんが、実は購入判断・運用・売却・節税のすべてに関わる、不動産投資の根幹を支える数字です。

この記事では、簿価の基本、減価償却との関係、そして売却戦略への活かし方まで、投資家が押さえるべきポイントを解説します!

◯簿価とは? 不動産投資の基礎になる「帳簿上の価値」

簿価(帳簿価格)とは、不動産が帳簿上いくらの価値で記録されているかを示す金額です。
不動産投資においては、下記のように計算されます。

▼簿価の基本計算式
簿価 = 取得価額 − 減価償却費

ここで重要なのは「土地」と「建物」で簿価の概念が異なること。

土地:減価償却しない → 簿価は購入時のまま

建物:減価償却する → 簿価は年々減っていく

同じ不動産でも、建物部分は毎年価値が下がっていき、土地部分は価値が変わりません。この違いが、不動産投資における判断に大きく影響します。

◯減価償却と簿価の関係:不動産投資の節税メリットと注意点

不動産投資の醍醐味のひとつが「減価償却」による節税です。
減価償却とは、建物の価値が時間とともに減ることを会計上表す仕組みで、実際の支出がなくても経費にできる点が大きなメリットです。

▼減価償却のメリット

実際にはお金が出ていかない“非資金費用”のため節税効果が大きい

所得税・住民税が抑えられるため、手元資金が増える

中古物件ほど耐用年数が短く、償却スピードが速い(=節税効果が大きい)

例として、築22年以上の木造物件は最短4年で償却できます。

ただし注意すべき点もあります。

減価償却が進むほど建物の簿価はどんどん小さくなるため、その状態で売却すると…
→ 節税で得していた分が「売却益」として表面化し、税金が増える
という逆転現象が起きます。

◯簿価と時価の差が「売却時の税金」を左右する

不動産投資では、簿価と並んで「時価(市場価格)」の把握が重要です。

簿価:帳簿上の価値(市況とは無関係)

時価:市場で実際に売れる価格

両者に差があるほど、売却時に発生する税金が変動します。

▼売却時の譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却金額 −(簿価+譲渡費用)

簿価が小さいほど、計算上の利益が大きくなり税額も増えます。
たとえば…

減価償却を多くとった → 節税メリットは大きい

しかし簿価が大きく下がる

市場上昇期に売却 → 利益が膨らみ、譲渡所得税が増える

という流れになる可能性があります。

◯不動産投資家が簿価をどう活用すべきか?

簿価を正しく理解すると、不動産投資の意思決定が大きく変わります。

① 売却タイミングの判断材料にする

税金を抑えたい → 簿価がまだ高い段階で売却

手残りを最大化したい → 市場価格が上昇したタイミングを狙う
簿価は「売ったら税金がいくらかかりそうか」の指標になります。

② 購入判断に活用する

中古物件を購入する際、簿価や残存耐用年数によって、

減価償却できる額

節税効果

実際のキャッシュフロー

が大きく変わります。
「利回りだけで判断しない」という不動産投資の基本がより腑に落ちます。

③ 売却時の交渉材料として使える

売主側としては、
「これ以上価格を下げると譲渡益が増えて手残りが減る」
といった合理的な説明も可能になり、交渉に説得力が生まれます。

簿価を理解すると、不動産投資の全体像が一気にクリアになります。

購入時:節税効果や投資効率が見えやすくなる

運用時:減価償却でキャッシュフローを調整できる

売却時:利益と税金を正確に予測できる

簿価は単なる数字ではなく、
不動産投資の未来を読み解くための重要なコンパスです。

簿価を味方につけて、より堅実で効率的な不動産投資を進めていきましょう!

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