都市計画法とは?投資家も知っておくべきまちづくりのルール

ブログ 不動産投資初心者向け講座

こんにちは! 

皆さんは「都市計画法」という言葉を耳にしたことはありますか?
これは日本のまちづくりの基本となる法律で、都市の健全な発展と秩序ある整備を目的としています。わかりやすく言えば、どこにどんな建物を建てられるのか、道路や公園、上下水道などのインフラをどう整えていくのかを決めるためのルールです。

1968年に制定された現行法は、急速な都市化で生じた住宅不足やインフラ未整備、災害リスクの高まりといった課題を解決するために生まれました。都市を「一つのシステム」として捉え、計画的に発展させることを目指しています。

そしてこの法律は、不動産投資家にとっても重要なチェックポイントです。都市計画法を理解することで、土地や建物の価値が将来的にどう変わるかを予測しやすくなり、投資判断の精度が高まります。

何度かこの都市計画法に関わる要素をブログで取り上げてきたので、内容が重複する部分が出てくるかと思いますが、おさらいとして読んで頂ければ幸いです!

⚪︎都市計画区域と準都市計画区域:投資の第一チェックポイント

都市計画法を理解するうえで外せないのが都市計画区域です。これは都市として整備や保全が必要とされる区域で、日本の大半の市町村が含まれています。

ここで重要なのは、都市計画区域内では用途や建物の規模に規制がかかるため、想定していた活用ができないケースがあることです。たとえば「アパートを建てたい」と思っても、地域指定によっては建築不可となる場合もあります。

また、都市計画区域外でも、将来の整備に備えて準都市計画区域が指定されることがあります。こちらは規制が緩やかですが、開発リスクを抑える最低限のルールが存在します。投資対象エリアがどちらに含まれるかは、購入前に必ず確認したいポイントです。

⚪︎ゾーニングと用途地域:利回りを左右するルール

都市計画法の中心にあるのがゾーニングの仕組みです。土地の用途を住宅・商業・工業などにあらかじめ区分することで、無秩序な混在を防ぎます。

その代表が用途地域で、全国で13種類に分けられています。不動産投資家にとってこれは非常に重要です。

住宅系地域:静かな住環境が守られる一方、工場や大型商業施設は建てられない。アパート経営や戸建て賃貸には向くが、大規模収益施設には不向き。

商業系地域:店舗やオフィスビルを建てやすく、人の流れが見込めるエリア。賃貸需要も高いが、土地価格も高め。

工業系地域:工場や倉庫が立地可能で、物流ニーズに対応できる。居住系投資には向かないが、法人向け賃貸の可能性あり。

さらに、建ぺい率や容積率も投資の収益性に直結します。高い容積率が設定されている土地では、延べ床面積を大きくできるため、賃貸戸数を増やして利回りを高めることが可能です。逆に低容積率の土地は建物規模が制限されるため、収益性に限界が出てきます。

⚪︎都市計画の種類と投資への影響

都市計画法には大きく二つの計画があります。

・都市施設の計画
道路、公園、下水道、学校、病院など公共施設の整備です。これらが整備されると周辺エリアの利便性が向上し、不動産価値が上昇する傾向にあります。駅前再開発や新しい幹線道路の開通は、投資家にとってチャンスになることも多いです。

・市街地開発事業
土地区画整理事業や市街地再開発事業が代表例です。これらが進めば土地の利用価値が高まり、賃貸需要も増加します。再開発エリアの物件は、完成後に大きな資産価値上昇が期待できる一方、計画が長期化するリスクもあります。

投資家にとっては、「どの地域が将来開発されるのか」を見極めることが重要になります。

⚪︎開発許可制度と投資リスク管理

一定規模以上の開発には開発許可が必要です。もし許可を得ずに土地を購入してしまうと、思った通りに建築できず投資計画が頓挫するリスクがあります。

開発許可制度は投資家にとって「リスクの見える化」に役立ちます。許可の有無を調べることで、その土地が安心して開発可能かどうかを判断できるのです。

⚪︎都市計画法の課題と投資戦略

現代の都市計画は、少子高齢化・人口減少・災害リスクといった新たな課題に直面しています。これに伴い、

・コンパクトシティ構想による都市機能の集約

・空き家活用の推進

・防災を考慮した再開発

といった取り組みが進められています。

投資家にとっては、人口減少エリアでは過剰供給に注意し、都市機能が集約されるエリアに注目することがポイントです。再開発予定地や公共交通沿線の地域は、将来的に資産価値が高まる可能性があります。

都市計画法は、私たちの暮らしを守る法律であると同時に、不動産投資に直結するルールでもあります。

・区域指定や用途地域で建築可能な物件が変わる

・建ぺい率・容積率が利回りに影響する

・再開発や都市施設整備は資産価値を押し上げる要因となる

投資家にとって、都市計画法を理解することは収益性とリスクを正しく判断するための必須スキルです。将来の都市像を見据えて物件を選ぶことで、安定した不動産投資につながるでしょう。

資料請求・お問い合わせ