こんにちは!
今回は不動産投資における大きなメリットのひとつ、「損益通算(そんえきつうさん)」についてわかりやすく解説していきます。
不動産投資というと、「家賃収入で利益を得る」というイメージが強いかもしれません。しかし、実は収益だけでなく、税金面の優遇が大きい投資方法でもあります。その代表格がこの損益通算です。
損益通算とは、ある所得で赤字(損失)が出た場合に、他の黒字の所得と相殺できる制度のこと。不動産投資で赤字が出れば、その損失を給与所得などから差し引くことができ、結果として所得税・住民税が減る=節税につながる仕組みです。
◯不動産所得の仕組みと“赤字のカラクリ”
まずは、不動産投資で発生する「不動産所得」の計算方法を見てみましょう。
【不動産所得 = 家賃収入 − 必要経費】
必要経費には、
・管理費
・修繕費
・固定資産税
など実際に支払う費用のほか、もう一つ重要な“お金が出ていかない経費”があります。
それが 減価償却費 です。
◯減価償却費とは?
建物は年月とともに価値が下がっていくため、その価値分を毎年費用として計上できます。
木造アパート:耐用年数22年
RCマンション:耐用年数47年
この法定耐用年数に基づいて、建物価格を少しずつ経費化する仕組みです。
そのため、実際には黒字でも「減価償却費のおかげで帳簿上は赤字になる」というケースが生まれます。この“見かけの赤字”こそが損益通算の強みで、給与所得などと相殺することで節税効果を発揮します。
◯ではどのくらい節税できるのか?
例として、年収500万円の方が不動産投資で100万円の赤字になった場合を見てみましょう。
| 項目 | 通算前 | 通算後 |
| 給与所得 | +500万円 | +500万円 |
| 不動産所得 | −100万円 | −100万円 |
| 課税対象所得 | 500万円 | 400万円 |
課税所得が100万円下がることで、所得税・住民税が減少。
税率が高い人ほど節税効果が大きく、年間で数十万円の税負担が減るケースもあります。
◯損益通算できないケースに注意!
非常に便利な制度ですが、すべての赤字が通算できるわけではありません。
特に注意したいのが 土地のローン利息 です。
土地は価値が減らない資産とされており、減価償却の対象外。そのため、
土地部分の借入金利子による赤字は、損益通算の対象外
となります。
例:
不動産所得 −100万円
うち土地ローン利息分 −40万円
→ 損益通算できるのは −60万円のみ
節税目的だけの投資を防ぐために設けられたルールです。
◯不動産投資で損益通算を上手に使うポイント
損益通算の効果を最大化するためには、以下の点を意識するとよいでしょう。
・建物割合の高い物件を選ぶ
土地より建物部分が大きいほど、減価償却費を多く計上でき節税につながります。
築古アパートは特に建物割合が高い傾向。
・耐用年数を理解しておく
建物構造によって耐用年数は異なり、減価償却費も変わります。
中古物件は耐用年数を短縮でき、より早く経費化できる場合もあります。
・経費はしっかり記録
修繕費・管理費・火災保険・固定資産税など、適正に計上することが重要です。
(※専門家の報酬を記載したくなければ省略も可能です)
・必ず確定申告を行うこと
損益通算は年末調整だけでは反映されません。
不動産投資家は確定申告が必須です。
損益通算は、不動産投資で発生した“帳簿上の赤字”を給与所得などと相殺し、税負担を軽減できる非常に有効な制度です。
特にサラリーマン投資家にとっては、手元資金の改善にもつながる魅力的な仕組みと言えます。
ただし、土地ローン利息が対象外になるなど、ルールを理解しないと期待した節税効果が得られないケースもあります。
不動産投資を進める際は、制度を正しく理解しつつ、無理のない範囲で損益通算を賢く活用していきましょう。
不動産投資のご検討、管理・経営でお悩みごとがありましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください!(^_−)−☆
