こんにちは! 今回は「配偶者居住権」についてのお話をしていきますね。
不動産投資を進めるうえで、相続や権利関係は避けて通れない重要テーマです。
その中でも、2020年の民法改正で新設された「配偶者居住権」は、投資家にとって理解しておかなければ思わぬリスクとなる制度です。
配偶者居住権は、亡くなった被相続人と同居していた配偶者が、無償で住み続けられる権利のこと。
家族保護という点では非常に優れた制度ですが、不動産投資の視点では「収益化・売却・融資」などに直接影響するため、事前の対策が欠かせません。
◯配偶者居住権とは?基本をわかりやすく整理
配偶者居住権は、建物の「所有権」と「居住する権利」を分けて考える仕組みです。
・配偶者は“住む権利”を取得する(無償で住み続けられる)
・建物の所有権は別の相続人が取得する
これにより、配偶者は金融資産などを多く確保でき、生活の安定につながります。
しかし、不動産投資としては「所有しているのに自由に使えない状態」が生まれるため、注意が必要です。
◯不動産投資における配偶者居住権の影響
①収益化ができないケースに陥る
配偶者が住み続ける限り、
・賃貸に出すことは不可能
・空室であっても賃料収入はゼロ
・それでも固定資産税や保険料は所有者が負担
つまり、「家賃収入ゼロの不動産を抱えるリスク」が発生します。
特に、
・自宅兼賃貸(賃貸併用住宅)
・将来自宅を賃貸に回す予定
などの場合、予想していた不動産投資のシナリオが大きく狂う可能性があります。
②売却が極めて困難になる
配偶者居住権付きの不動産は、投資家にとってほぼ魅力がない資産となります。
・配偶者が亡くなるまで明け渡しができない
・権利を買い取る必要がある可能性
・市場での売却価格が大幅に下落する
銀行も担保評価を低く見積もるため、融資にも不利です。
結果として、資産が“塩漬け”状態になるリスクが高まります。
◯不動産投資家が取るべき具体的な対策
不動産投資において最も重要なのは、資産が凍結されない仕組みを作っておくことです。
対策①遺言書で「配偶者居住権を設定しない」意思表示
遺言書がない場合、法律に沿って自動的に配偶者居住権が成立する可能性があります。
不動産投資を継続したいのであれば、
「配偶者居住権を設定しない」
または
「配偶者が建物の所有権を取得する」
と明記しておくことが重要です。
そのうえで、配偶者には金融資産や収益不動産からの収入を相続させるなど、別の方法で生活の安定を図るのが現実的です。
対策② 家族信託で活用ルールを明確にする
家族信託を使えば、
自宅は配偶者が引き続き利用
不動産投資用物件は後継者が管理し収益化
売却・建替えなども柔軟に設定可能
という形で、居住の安定と投資の継続を両立できます。
対策③ 生前贈与で早めに所有権を移しておく
将来の賃貸化を予定している不動産を、投資を理解している子どもへ贈与する方法もあります。
ただし贈与税の問題があるため、慎重な計画が必要です。
配偶者居住権は、家族を守る素晴らしい制度です。
しかし、不動産投資の観点では、
・収益化ができない
・売却できない
・資産が凍結される
…という、非常に大きなリスクを抱えています。
だからこそ、投資家は
・資産の一覧を作る
・相続シミュレーションを行う
・遺言書 or 家族信託を活用する
これらの準備を早めに進める必要があります。
築き上げた不動産投資の成果を守り、スムーズに次世代へ引き継ぐためにも、配偶者居住権は必ず理解しておくべき重要テーマです。もし相続などでお困りのことがありましたらぜひご相談ください!
不動産投資のご検討、管理・経営でお悩みごとがありましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください!(^_−)−☆
