こんにちは! 今回は「実需」と「投資」という言葉について見ていきます。
不動産投資を学び始めると、必ず耳にする言葉があります。それが「実需」と「投資」です。この2つは不動産市場を形づくる大きな要素であり、投資戦略を考える上で欠かせない視点です。
しかし、「実需」と「投資」はそれぞれの目的や考え方が異なるため、しっかり理解しておかないと判断を誤ることもあります。今回は、不動産投資初心者の方にもわかりやすく、それぞれの特徴や関係性、投資戦略への活かし方を整理してみましょう。
⚪︎「実需」とは? 生活を支えるリアルな需要
まず「実需」とは、実際にその物件を使うことを目的とした需要です。
たとえば、自宅を買う家族や、オフィスを探す企業、店舗を開業する事業者などがその代表例です。彼らの判断基準は「収益性」ではなく、生活や事業の利便性・快適性にあります。
マイホーム購入者なら、駅からの距離、学区、治安、スーパーや病院の近さといった日常生活の利便性を重視します。
事業用物件を探す企業なら、顧客のアクセスや従業員の通勤のしやすさ、競合環境などがポイントです。
実需が旺盛な地域は「本当に人が住みたい、使いたい場所」であるため、価格が安定しやすく、大きく値崩れしにくい傾向があります。人口増加が見込まれる都市や再開発が進むエリアは、実需に支えられて価格も堅調に推移しやすいのです。
⚪︎「投資」とは? 将来の収益を狙う視点
一方、「投資」とは、将来の売却益(キャピタルゲイン)や家賃収入(インカムゲイン)を得る目的で物件を購入することです。投資家が注目するのは、利便性や快適性よりも数字と収益性です。
・キャピタルゲイン狙い
安く買って高く売る戦略。再開発やインフラ整備といった将来的な価値上昇を先読みすることが重要です。
・インカムゲイン狙い
安定した家賃収入を得る戦略。空室リスクが低く、利回りが見込める物件を選びます。都心のワンルームや地方のファミリーアパートなどが典型です。
投資家はマクロ経済や人口動態、金利政策といったデータをもとに論理的に判断します。実需の動きも意識しますが、それ以上に「収益が出るかどうか」が最優先になります。
⚪︎実需と投資の相互作用
不動産市場は「実需」と「投資」が影響し合いながら成り立っています。
・実需が投資を支える
実需の強いエリアは入居者が途切れにくく、家賃も安定するため投資家にとって魅力的です。結果として投資マネーが集まり、価格上昇を後押しします。
・投資が実需を呼び込む
逆に投資家が開発段階のエリアに資金を投入することで、新しい住宅や商業施設が建ち、生活の利便性が高まります。結果として新たな住民や利用者が流入し、実需も増加します。
このように、不動産市場は「実需」と「投資」が一方的に分かれるものではなく、互いに影響し合う循環の中で動いているのです。
⚪︎投資戦略にどう活かすか?
不動産投資家として成功するためには、この2つの概念をどう取り入れるかが重要です。大きく分けて、次の2つの戦略が考えられます。
1. 実需に基づく堅実型(インカムゲイン重視)
ターゲットエリア:人口増加や再開発が見込まれる地域
物件選び:駅近ワンルームやファミリー向け3LDKなど、賃貸需要の高いタイプ
特徴:空室リスクが低く安定した収益が期待できる。ただし、価格の大幅上昇は起こりにくい
長期的に堅実に資産を育てたい人に向いています。
2. 投資視点を活かす積極型(キャピタルゲイン重視)
ターゲットエリア:再開発やインフラ計画が進む「これから伸びる場所」
物件選び:将来の価値上昇が期待できるが、まだ価格が上がり切っていないもの
特徴:情報収集力と先見性が求められる。高リターンも狙えるが、リスクも大きい
市場のトレンドを読むのが得意で、大きなリターンを目指したい人に適しています。
いかがでしたか?
不動産投資は「実需」と「投資」という2つの顔を理解することで、はじめて全体像が見えてきます。
実需=人々の生活や事業を支えるリアルな需要
投資=数字と将来性をもとに収益を追求する視点
この両者は独立して存在するのではなく、互いに影響を与えながら市場を形づくっています。投資家にとって大切なのは、自分がどちらを重視するのか、または両方をどうバランスさせるのかを明確にすることです。
表面的な利回りや価格だけに惑わされず、その物件が「誰に」「どんな目的で」求められるのか、さらにその背景にある社会や経済の動きまで考慮することがとても大切です。
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