こんにちは! 今回は底地付き物件についてお伝えしていきます。
不動産投資を検討する際、アパートやマンション、商業施設といった建物を所有する投資方法が一般的にイメージされます。しかし、投資対象は建物だけに限りません。土地そのものを対象とする「底地付物件」も、不動産投資の一つの選択肢として注目されています。
底地とは、建物の所有者(借地人)が地代を払って利用している土地のことを指します。つまり、投資家は土地を所有しつつ、その上に立つ建物は借地人が所有している状態です。収益は借地人から支払われる「地代」として得られます。一見すると堅実な投資のように見えますが、底地付物件には独特のメリットとデメリットが存在します。
⚪︎底地付物件のメリット
1. 安定した収益が見込める
底地の大きな魅力は、地代収入が比較的安定している点です。借地人は建物を所有しているため、生活や事業の基盤としてその土地を使い続けるインセンティブがあります。したがって、家賃収入に比べて滞納リスクは低く、安定したキャッシュフローを得やすいといえます。
2. 固定資産税の負担が軽い
土地の所有者には固定資産税がかかりますが、借地権が設定されている土地は利用価値が制限されているため、評価額が低めに算定されます。その結果、固定資産税の負担が抑えられるケースが多く、長期的に見てもコストメリットがあります。
3. 売却益や資産価値の上昇が期待できる
都市部や人気エリアでは、底地の需要が高まる傾向があります。将来的に借地権者と交渉し、借地権と底地をまとめて「完全所有権」にすることができれば、資産価値は一気に高まります。そのため、キャピタルゲイン(売却益)を狙った投資対象としても注目されています。
4. 建物管理の手間が不要
通常の賃貸経営では、建物の修繕や管理業務に多大なコストと労力がかかります。しかし、底地投資は土地だけを所有しているため、建物の維持管理責任は借地人が負担します。オーナー側の管理負担が軽い点は、特に不動産投資を副業で行いたい方にとって大きなメリットです。
⚪︎底地付物件のデメリット
1. 収益性が低い
底地の収益源は地代のみであり、家賃収入と比べると利回りは低めです。一般的に表面利回りで1〜3%程度が相場とされ、通常のアパート経営などに比べて投資効率は劣ります。そのため、短期間で大きな収益を狙う投資家には向きません。
2. 自由に活用できない
借地契約が存在する以上、土地を自由に使うことはできません。自ら開発したり、すぐに再建築をしたりすることは難しく、借地人との交渉が不可欠になります。この「自由度の低さ」は投資判断において大きな制約となります。
3. 売却の難しさ
底地は不動産市場において買い手が限られやすい物件です。借地権者に優先的な購入権(先買権)があるため、第三者に売却する際は制約がかかります。また、一般の投資家からすると「活用できない土地」と捉えられることもあり、流動性が低い点はデメリットといえます。
4. 借地人との関係性が収益に直結する
借地人が地代を滞納したり、契約更新を巡ってトラブルになったりすると、収益が不安定になる可能性があります。特に古い借地契約では、地代が相場より安く設定されているケースも多く、オーナー側に不利な条件が残っている場合もあるため、契約内容の精査が不可欠です。
⚪︎投資判断のポイント
底地付物件は「高利回りではないが安定感がある投資」といえます。したがって、短期的に大きな収益を狙うよりも、長期的に資産を安定保有したい投資家に向いています。特に次のようなケースでは検討する価値があります。
・安定的なインカムゲインを確保したい
・固定資産税負担を抑えながら資産を保有したい
・将来的に借地権との統合を見込み、資産価値の上昇を狙いたい
・不動産投資の管理負担をできるだけ減らしたい
一方で、投資前には必ず契約内容を精査し、借地人の状況や地代の妥当性を確認することが重要です。専門家のサポートを受けながら、出口戦略まで見据えたプランニングを行うと安心です。
底地付物件は、建物管理の手間がなく、安定した収益が期待できる一方、収益性の低さや自由度の制限、流動性の低さといったデメリットを抱えています。投資家にとっては、キャッシュフローを大きく増やす手段というよりも、資産形成や安定運用のための選択肢として捉えるのが適切でしょう。
「手間をかけずに不動産を保有したい」「将来の資産価値上昇を見込みたい」と考える方には、底地付物件は十分に魅力的な投資対象となり得ます。
収益不動産売買のご検討、管理・経営でお悩みごとがありましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください!(^_−)−☆