こんにちは!
不動産投資を行うオーナーや中小企業の経営者であれば、誰もが一度は「税金は1円でも安くしたい!」と考えることはあるでしょう。確かに節税は重要ですが、その節税が原因で銀行融資が通らなくなっているケースが、実務の現場では少なくありません。
特に、不動産投資を法人で行っている場合や、今後さらに物件を増やしたいと考えている方にとって、銀行融資は事業拡大の生命線です。にもかかわらず、税金を減らすことだけを優先した結果、会社の信用力を自ら削ってしまうのは本末転倒と言えるでしょう。
では、なぜ節税しすぎが融資を遠ざけるのでしょうか?
その仕組みと、銀行から「この会社には貸したい」と思われる決算書の考え方を解説します。
◯銀行が見ているのは節税後の現実的な数字
銀行が融資審査で最も重視しているのは、「この会社は、本業で安定して稼ぎ、借入金を返済できるか?」という一点です。不動産投資の場合も同様で、家賃収入がどれだけ安定しており、そこからどれだけ返済原資が生まれているかを見られます。
その判断材料となるのが、決算書上の
・税引後利益
・減価償却費
です。
節税のために無理に経費を積み上げ、赤字やギリギリの黒字を続けていると、返済原資は極端に小さく見えてしまいます。銀行担当者は、節税目的でわざと利益を出していないという説明を、数字以上に評価してくれることはありません。決算書の数字は会社の実力と同義、これが銀行の基本スタンスです。
◯節税しすぎが融資に与える3つの致命的影響
①自己資本比率が上がらず、銀行格付けが下がる
銀行は決算書をもとに企業を格付けしています。節税で利益を圧縮し続けると、利益剰余金が増えず、自己資本比率はいつまでも低いままです。
その結果、財務体質が弱い会社と判断され、
・金利が上がる
・融資額が減る
・最悪の場合、融資自体が難しくなる
…といった事態を招きます。
不動産投資ではレバレッジが重要だからこそ、この影響は致命的です。
②債務償還年数が悪化し、融資条件が厳しくなる
銀行は「今の利益水準で、借金を何年で返せるか」を見ています。これを債務償還年数と呼びます。
目安として、
・10年以内:健全
・20年以上:要注意
節税で利益を削りすぎるとこの年数が一気に悪化し、希望額が出なかったり、返済期間を短くされる、といった形で跳ね返ってきます。
③ キャッシュアウト型節税で手元資金が減る
節税には【お金が出る節税】と、【お金が出ない節税】があります。
不動産投資家がやりがちなのが、保険加入や不要な支出による、キャッシュアウト型節税です。税金を減らすために現金を減らしてしまうと、銀行からは資金繰りに余裕がない会社と評価され、融資面ではマイナスに働きます。
◯良い決算書と節税を両立させる考え方
重要なのは、節税をやめることではありません。融資に耐えられる決算書を維持しながら、節税を行うことです。
目安としては、税引前利益で2〜5%程度の黒字を安定して出すこと。
そして、節税は消費ではなく投資に使う意識が重要です。
例えば、
・管理効率を上げるためのIT導入
・不動産投資の収益性を高めるための修繕や設備投資
・人材育成や外注による業務効率化
これらは節税になりつつ、将来の利益を生む支出として銀行にも説明が可能です。
いかがでしたか?
節税は短期的には魅力的に見えますが、やりすぎると不動産投資の拡大や事業成長を止めてしまいます。
特に、今後も融資を活用して不動産投資を続けたい方にとっては、あえて利益を出し、税金を払い、銀行評価を高める戦略が、結果的に最も大きなリターンを期待することができます。
税金は無駄なお金ではありません。「次の融資を引き出すための手数料」として多少おおらかに捉えることが、投資を成功に導くうえで大切になってくるでしょう。
不動産投資のご検討、管理・経営でお悩みごとがありましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください!(^_−)−☆
