こんにちは!
「長年住んだマイホームを売って新しい暮らしを始めたい」「相続した不動産を売って現金化したい」…不動産を売却する理由は人それぞれです。ですが、いざ売却して利益が出たとき、「譲渡税」という税金がかかることをご存じでしょうか?
この記事では、不動産売却にともなって発生する譲渡税について、基本的な仕組みや計算方法、そして知っておきたい節税のポイントまでを、わかりやすくご紹介します。
⚪︎譲渡税とは?──「利益」にかかる税金です
譲渡税とは、不動産を売却して得た利益(=譲渡所得)に対して課される税金です。給与などの他の所得とは別で計算される「分離課税」となっており、専用の計算方法があります。
譲渡所得の計算式は以下の通りです。
【譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)】
※取得費:購入時の金額、仲介手数料、登記費用など
※譲渡費用:売却時にかかった仲介手数料、測量費など
取得費や譲渡費用の合計が売却価格より高い場合、利益は出ていないので譲渡税はかかりません。
⚪︎税率は「持っていた年数」で変わる!
不動産を売却したときの税率は、どれだけ長く保有していたかによって異なります。ポイントは「売却した年の1月1日時点」で「所有期間が5年を超えているかどうか」です。
短期譲渡所得(5年以下):所得税率30%+住民税率9%=合計税率39%
長期譲渡所得(5年超) :所得税率15%+住民税率5%=合計税率 20%
つまり、5年を超えて保有している不動産を売る方が税金は安く済む、ということになります。
売却のタイミングを考えるうえで、非常に重要なポイントといえるでしょう。
⚪︎譲渡税の計算方法
例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
・売却価格:5,000万円
・取得費:2,000万円
・譲渡費用:300万円
・所有期間:5年超(長期譲渡所得)
この場合の譲渡所得は…
5,000万円 -(2,000万円 + 300万円)= 2,700万円
税率は20%なので、
2,700万円 × 20% = 540万円
このケースでは、譲渡税として540万円が発生することになります。
⚪︎知っておきたい節税のポイント
譲渡税は金額が大きくなりがちですが、いくつかの**特例制度**を活用することで税負担を軽減できる可能性があります。代表的な節税策を紹介します。
・3,000万円の特別控除(居住用財産)
マイホームとして使っていた家屋と敷地を売却した場合、条件を満たせば最大3,000万円まで譲渡所得から控除できます。多くの人が利用している特例です。
・買換え特例(課税繰り延べ)
売却後に新たな住宅を購入する場合、一定の条件を満たせば、譲渡益への課税を将来に繰り延べることが可能です。
・相続不動産の取得費加算
相続した不動産を売却する際、相続税の一部を取得費として加算できる特例があります。取得費が大きくなることで、譲渡所得を減らせます。
・空き家の3,000万円特別控除
相続によって取得した空き家についても、条件を満たせば3,000万円の控除が受けられるケースがあります。
⚪︎売却後は「確定申告」が必要!
不動産を売却して譲渡所得が発生した場合は、翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を行わなければなりません。申告を忘れると、延滞税や加算税などのペナルティがかかることもあるので要注意です。
確定申告には以下のような書類が必要です:
・売買契約書
・仲介手数料などの領収書
・不動産の取得に関する資料(購入時の契約書など)
不明点がある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
不動産を売却する際には、譲渡税の仕組みと節税対策を正しく理解しておくことが大切です。税率は所有期間によって大きく変わり、特例をうまく活用することで負担を軽くできるケースもあります。
損をしないためにも、不動産の売却を検討し始めた段階で、専門家に相談しながら準備を進めていくことをおすすめします。
資産状況の確認などについてのお問い合わせは、ぜひコンサルもできる弊社までお気軽にお問合せください!(^^)