投資家が押さえるべき「幅員」「接道」「間口」──収益物件の土地選びで見落とせない3つの視点

ブログ 不動産投資初心者向け講座

こんにちは! 今回は物件と深く関わりのある「道」のことについてお伝えしていきます。

収益物件を購入する際、多くの投資家は利回りや立地、築年数などに目を向けがちです。しかし、安定した賃貸経営や将来の売却を見据えるなら、土地の物理的な条件──「幅員」「接道」「間口」にも注意を払う必要があります。

これらの要素は建築基準法と深く関わり、物件の再建築可否や資産価値、さらには賃貸の競争力にまで影響するため、見落とすと後で大きな損失につながる可能性も出てきます。

それでは主にどんなところに影響が出てくるのか、それぞれの概要も含めて見ていきましょう。

⚪︎「幅員」──道路幅が再建築と出口戦略を左右する

「幅員(ふくいん)」とは、接道する道路の幅のことです。建築基準法では、原則として4m以上の道路に敷地が接していなければ、建物の建築や再建築ができません(接道義務)。

仮に3.5mの道路に面している土地にアパートを建てていた場合、将来的に再建築不可になる可能性があり、仮にそうなってしまうと、その物件は「出口が限定されるリスク資産」になってしまいます。

特に古い住宅街では、幅員が4m未満の「狭隘(きょうあい)道路」に面した土地も多く、そうした場所ではセットバック(道路後退)が必要です。セットバック部分は建築不可で、建ぺい率・容積率の計算にも含まれず、実質的に使える土地が減るため、収益性や再開発時のプランに影響します。

また、道路幅が狭いと、入居者の車両出入りが困難になる場合もあり、駐車場付き物件では空室リスクにつながることも。消防法上の観点でも、道路幅が狭いと防災性能が低いと評価される可能性があるため、注意が必要です。

⚪︎「接道」──再建築の可否を決定づける重要条件

「接道」とは、その敷地がどのように道路と接しているか、そしてどの程度の長さで接しているかを意味します。ここで重要なのは、幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接しているかどうかという点です。

この条件を満たさない土地は、原則として再建築不可物件となります。再建築不可のアパートや戸建賃貸は、初期投資こそ安く抑えられるケースがありますが、老朽化による建て替えができず、中長期的には出口のない投資になるリスクがあります。

とくに「旗竿地」と呼ばれる、通路の奥に広がるような土地(竿部分が細長く、間口が狭い形状)は、通路の幅と長さに要注意です。2mに満たないと再建築が不可になり、2mを超えていても通路が極端に長いと、建築資材や車の搬入に支障をきたすこともあります。

収益物件の購入時には、「接道の長さ」や「道路の種別(公道/私道)」「接している位置(角地か否か)」なども必ず確認しましょう。再建築可能でなければ、金融機関からの融資も受けにくくなるため、担保評価にも大きなマイナスとなります。

⚪︎「間口」──入居者の利便性と物件の魅力を左右する要素

「間口」とは、敷地が道路に接している横幅のこと。収益物件においてもこの間口の広さは、入居者の満足度や建物プランの柔軟性に直結します。

たとえば、間口が広いと以下のメリットがあります。

・採光・通風の確保がしやすく、居住性が高まる

・複数の出入り口や駐車場の配置が可能

・建物外観が開放的になり、見た目の印象(=募集力)が良くなる

逆に、間口が極端に狭いと、駐車場の配置が難しく、日照条件も悪くなりがちです。また、建物が奥に長くなるような設計になると、居室の形状や配置に制約が生じ、間取りの自由度が低下します。

多くの買主は、整形地や間口の広い土地を好む傾向にありますので、間口が広い土地は資産価値が下がりにくく、将来的な売却時にも効果が期待できます。将来、出口戦略を考えるうえでも、間口は見逃せない要素と言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?

収益物件を購入する際、「幅員」「接道」「間口」の3つは、建物の建築可否、入居者の利便性、そして将来的な資産価値に直接影響する重要項目です。

・再建築不可の土地は投資として慎重に判断を

・セットバックや間口の狭さが収益性を下げるリスクあり

・金融機関の評価は「接道条件」で大きく左右される

以上については特に注意を払っておきたいところです。

紙面上の数字だけでなく、可能であれば、不動産鑑定士や建築士にも相談しながら、現地で確認し、慎重に判断できるのが一番望ましいかもしれません。もちろん弊社にもご相談頂ければ幸いです!

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