こんにちは!今回は物件資料についてくることがある情報、「謄本」についてお伝えしていきます。
不動産投資を始めるとき、多くの人が最初に確認するのはインターネットの物件情報や不動産会社のパンフレットです。利回りや立地条件は魅力的に見えますが、投資家にとって本当に重要なのは「その物件の裏側にある事実」を把握することです。そのカギを握るのが、【土地・建物謄本(登記簿謄本)】です。謄本は、不動産の履歴書とも呼べる公的資料で、投資判断やリスク回避に欠かせない情報源となります。
◯謄本とは?投資家が必ず確認すべき理由
謄本とは、法務局に保管されている登記簿の内容を写した書類です。ここには「いつ、誰が、どのように」その不動産を所有してきたのか、また「どんな権利や制限」が設定されているのかといった情報が記録されています。
広告やパンフレットには書かれていない抵当権や差押えの有無、過去の所有者履歴なども確認できるのが謄本の大きな特徴です。つまり謄本は、不動産投資において「見えないリスク」を見抜くためのレントゲン写真のような存在なのです。
◯土地謄本のポイント:価値とリスクを見極める
土地謄本は大きく3つの部分に分かれています。それぞれ投資家が注目すべきポイントを整理します。
1. 表題部:物理的情報のチェック
所在地・地番・地目・面積などが記載されます。
地目が「畑」や「山林」の場合、建物を建てるには地目変更登記が必要です。費用や手間がかかり、思い通りに利用できないリスクがあります。
面積は公簿上の数字と実測値が異なる場合があるため、境界トラブルに発展する可能性もあります。
2. 権利部(甲区):所有権の履歴
過去から現在までの所有者の変遷を確認できます。
所有者が頻繁に変わっている場合、相続やトラブルの可能性があります。
共有名義の場合は、将来の売却時に全員の同意が必要となり、投資回収が難しくなるケースもあります。
3. 権利部(乙区):所有権以外の権利
抵当権や地役権などが記録されます。
抵当権が残っていると競売リスクがあり、融資を受けにくいことも。
地役権(通行権など)が設定されていると土地の利用が制限される可能性があります。
◯建物謄本のポイント:収益物件の「身分証明書」
建物謄本も土地と同様に表題部・権利部(甲区・乙区)で構成されます。
・表題部
所在地,家屋番号,種類(居宅、店舗など),構造,床面積,新築年月日が記載されています。
用途の確認:店舗として登記されている建物を住居用に使う場合、用途変更が必要です。
築年数:新築年月日を確認すれば、修繕計画や減価償却の目安を立てられます。
・権利部(甲区)
建物の所有者の履歴を確認。所有者が安定しているか、不自然な移転がないかをチェックします。
・権利部(乙区)
抵当権の設定があるかを確認。特に中古マンション投資では、区分所有権や共有部分の取り扱いについて記載があるため要注意です。
◯投資家が謄本から読み取るべきこと
不動産投資において、謄本から得られる情報は大きく次の3点に集約されます。
・所有者の確認
不自然な名義変更や共有名義の有無をチェック。トラブルを未然に防ぐ。
・負担の有無
抵当権,差押え,地役権などがあるかを確認。融資可否や収益計画に直結。
・物理的,利用上の制限
地目や用途、建物の種類が投資目的に合っているか確認する。
土地・建物謄本は単なる形式的な書類ではなく、物件の履歴書であり、投資判断の基礎資料となります。インターネット広告や営業担当者の説明に頼るだけでは、不動産投資のリスクを正確に見抜くことはできません。
土地は地目・面積・所有権履歴・抵当権を重点的に確認。建物は用途・構造・築年数・権利関係をチェック。謄本を自分の目で確認し、「目に見えないリスク」を謄本から読み取ることがとても大切です。将来的なトラブルを避け、安定したキャッシュフローを築くためにも、謄本を読み解ける力を身につけておくべきでしょう。
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